避雷針

あるいは老いの雫

妻の話 続き

妻は高校卒業し就職して、すぐ同い年の彼氏ができ、その男に処女を捧げたらしい。

その辺の話は会社の飲み会などで何となく耳にはしていた。

その彼氏という男も何度か見かけた事がある。  

 

そしてその交際は約2年で終わった。

理由までは知らない。

まあ、よくある話ではある。


妻は彼氏と別れた後、寂しさや退屈さからだろう、女友達と遊び歩くようになった。

そして時にはナンパされて一度きりの交わりなどもあったようだ。

ある時など、女友達と二対二で入浴までした事があるらしい。

はたしてその後は、いわゆる4Pのような乱交的行為に発展したものなのかどうかまでは知らない。

これは私たちが付き合う前に、妻本人から直接聞いた話である。



妻は私と交際して2年後に妊娠し結婚した。

性交渉を持った男は私が最後である。

しかし、私が一体何人目であるのかは聞いていない。
 





今更こんな事を気にするのは滑稽な事だ。

私と交際した後に、他の男に抱かれたなどという事が無ければそれでいい筈である。


しかし正直なところ、私は過去の妻の男遍歴を思うと苦しいのである。

最初の男は仕方がないとしても、それ以降の男はどうしても許せないのだ。

そんな男たちに妻の裸を見られ、ましてセックスまでされたとなると…
 


私はいつかこの気持ちを妻に打ち明けてしまうかもしれない。